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8年後に見るとまたいい!キツツキと雨が好きすぎる話

 2012年に公開になった「キツツキと雨」という映画が物凄く好きです。

沖田修一監督作品で、公開間もなくすぐに見た作品です。

沖田修一監督といえば、南極料理人が有名ですよね。

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 とにかく空気感とかが凄く好きな監督なんですが、キツツキと雨を久しぶりに見たわけです。前々から好きな映画として記憶に留めていましたが、8年後に見るとまた違った感覚に襲われました。

 

小栗旬の気持ちから役所広司側の気持ちへ

まず、2012年に見た頃は、今よりも私も若かったわけで、小栗旬側の気持ちで見ていたのですが、時が流れると役所広司側の気持ちで見れたのです。つまり、自分も大人になったという事です。

 

キツツキと雨のあらすじネタバレ含む

ちなみに、キツツキと雨は、林業を営む山の男役所広司が、ひょんなことからゾンビ映画の撮影に参加することになるというトリッキーな内容です。自分に自信がない小栗旬演じる若手映画監督は逃げ出そうとしますが、役所広司はエキストラとして出た事で映画の面白さにハマり、林業そっちのけで映画作りの仲間に加わって、ADとして奮闘し、小栗旬も他人を気にせず自分らしく監督して振舞っていくようになる。そんな感じの話です。

 

おもしろポイント①

とにかく、間合いが絶妙。会話がひたすらに自然で、そのへんのおっさんたちの会話がうっかり聞こえてくるような面白さ。ある意味、超リアル。そして、普通の映画ではそのカットはいるのか?という細かいカットが、例えば「あ、この人5本指ソックスなんだ」と思う人間の微妙な感情のようで、めちゃくちゃ面白いのです。

おもしろポイント②

とにかく、演技がうまい。当たり前だけど役所広司は凄い。演技指導されてるのかしらんけど、外で椅子に座りながら弁当を食べるシーンなんかでは、風に飛ばされないようにビニール袋を足で踏み、足を内股にして太ももの上に弁当を乗せて食べている。リアルである。他にも映画に出たことを知った林業仲間が、どんな演技したんだ?というような会話の時、役所広司が最初はたいした事ないと言うも、「銃で撃たれた」と伝えると「すげー!」と盛り上がるあたりがリアル。そして、まんざらでもない表情になる役所広司の微妙な表情の変化も凄いのだ。

 

面白いだけじゃない

当然ながら面白いだけではない。妻の3回忌を控え、仕事をやめてしまった役所広司の息子である高良圭吾とは喧嘩になった。そして、息子は家出をしてしまったが、映画撮影にハマってしまった役所広司は、すっかり3回忌を忘れる。あわてて家に戻ると父に代わりに、しっかり準備をしてくれていた。田舎の3回忌なので、そこそこに準備が必要なわけで。さらには、田舎のおっさんあるあるで、高良圭吾に「仕事どーすんだ?しっかりしろ!林業継げ!」って言うと役所広司は、小栗旬との出会いから「こいつの気持ちもある」と喧嘩した時との気持ちの変化が垣間見れるわけです。

 

自分に自信はなくても面白い映画だと周りが認めてくれていること。

自分の気持ちを伝えれば、意外と周りはついてきてくれること。

そういった若者ならではの葛藤と、自分しか見えていない部分へさりげなくカツを入れるところ。二人のちぐはぐなバランスと成長がとても素晴らしい映画なのです。

 

エンディングの音楽

最後に星野源のフィルムが流れる。

この映画の余韻に浸らせてくれるにふさわしい音楽なのだ。

じんわりと面白く、そして温かい映画だったなと。

当然ながら、この映画には劇中のゾンビ映画のスタッフたちのように、沢山の人たちで作られているのだなぁという感情にもなり、エンドロールをしっかり見たくなるようになっている。

 

改めて見て、この映画は名作だなと思った。

見た事がない人は是非、見て欲しい。

キツツキと雨

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